IPOの初値に影響する14の要素
について紹介します。
この記事では前半の①~⑦を紹介します。
各項目の最後で要点をまとめているので、サッと確認するのにもどうぞ!
目次
①知名度
②業種
③上場市場
④上場スケジュール
⑤想定価格
⑥仮条件
⑦公募価格
①知名度
IPOによって上場する企業の中には、既に名の知れた企業も多くあります。
企業の知名度が高ければ、当然初値にも良い影響を与えます。
仕事上で関わっている会社だったり、日常生活で使っているお店だったりすることもありますが、そのような場合ももちろんプラスに働きます。
●知名度高いほど注目度が上がり、初値も高騰しやすくなる
②業種
新しく上場する企業がどんな事業を行っているかはとても重要です。
この令和のご時世はネット・IT関連、セキュリティ関連が人気ですね。
2020年は新型コロナウイルスによって世界の動きが劇的に変わってきているため、テレワーク関連や医療関連も強いと思われます。
小売や不動産など、真新しさがあまりない業種だと初値は伸びにくい傾向です。
●ネットやIT関連が強い
③上場市場
日本の株式市場には複数の市場が存在していますが、IPOにおいて初値が爆発的に高騰しやすいのは「東証マザーズ」に上場する企業です。
東証マザーズには新興企業・将来性が高い企業が数多く上場しています。
東証2部であったり、札証などの地方市場は投資家たちからの注目を浴びにくいため、当日の買いが比較的入りにくく初値も高騰しにくい傾向にあります。
●東証マザーズに上場する企業の初値は高騰しやすい
④上場スケジュール
IPOにおいて非常に重要な要素となります。
IPOはとにかく注目されることが大切なので、同じ時期に5社も6社も上場すると当然注目度は分散します。
例年3月・6月・9月・12月はIPOラッシュになり、多い時には20社近くが密集します。
密集すればするほど1社毎の注目度は薄れてしまいがちです。
一方、年末年始明けやGW明けなど一定期間何もない状態から1社だけポツンと上場する場合は注目度が大きく上がります。
特に年始1発目は「ご祝儀買い」と称される買いが入りやすいです。
●他の企業と上場日が近くない方が注目を浴びやすい
●年明けやGW明けのIPOは注目度UP
⑤想定価格
想定価格は、新規上場が承認される前に設定される価格のことです。
利益額や類似企業のPERなどを参考にして決められています。
これを元にして次で紹介する「仮条件」が決められます。
●想定価格をベースとして仮条件などの重要要素が決められていく
⑥仮条件
IPOのブックビルディング(申込)が始まる時には、1100~1300円といったように一定の価格レンジ(=仮条件)が設定されます。
この仮条件は想定価格を基にした機関投資家の意見を踏まえ、証券会社が定めています。
評価が高く期待できると判断された場合の仮条件は高めに設定されますし、評価が低く期待値が低いと判断された場合の仮条件は低めに設定されます。
基本的に、仮条件が想定価格よりも上に振れた場合は初値高騰の期待が高まります。
(例)想定価格が1000円で仮条件が1100~1300円
そして、IPO投資家は申込をする時に仮条件の中で自分が買いたい価格を選択します。
ここで絶対に必要なのが「仮条件の上限価格で申込をする」ということです。
大抵の場合、仮条件の上限で申込をした人たちの間で抽選が行われます。
今回の例でいうと1100円で申込をした場合、そもそも抽選に参加できない可能性もあります。
よほど人気がないIPOであれば仮条件の下限で抽選が行われることもありますが、そもそもそんな株は欲しくないですよね。
●仮条件が想定価格よりも上に振れると期待値大
●申込は仮条件の上限で
⑦公募価格
IPOの抽選日の夕方頃に公募価格が決定します。
この公募価格は仮条件の範囲で決まります。
仮条件が1100~1300円という場合、公募価格が1300円となればそのIPOは人気があったという判断ができます。
反対に、公募価格が1100円になった場合はそのIPOを1300円で買いたいと申込する人が少なかった=人気が全くないということになります。
大抵は仮条件の上限が公募価格となりますが、そうではない場合もあるため注意しましょう。
●公募価格=仮条件の上限になることが大切
後半の8つはコチラの記事をご覧ください。