立会外分売の朝の板について解説する第2弾です。
前回よりもスクショを多く使い、細かく解説していきます。
「成売の数ってどこを見るんだっけ?」「立会外分売っていつまで申込ができて、いつ頃抽選結果が分かるんだったかな?」という方は先に前回の解説をご覧ください。
▷▷▷【立会外分売】朝の板の解説をします(初心者向けです!)
①8:18の板
今回も実際の板を見ていきます!
今回の立会外分売の銘柄は(3953)大村紙業。
分売される枚数は1195枚(119,500株)でした。
前日の終値は674円で、分売価格は黄色の丸をつけてある654円です。
僕は今回、8:18の板を見た時点で「今回は分売価格を割れて損をしそうだから参加はやめよう」と判断しました。
そして結果は、分売価格を大きく割れてしまいました。
その判断根拠について解説していきます。
板を見てみると、分売価格である654円より上の買い注文は16700株あります。
(14500+1000+400+100+400+100+200)
しかし成売注文が3500株あるため、それを差し引くと13200株分の「ゆとり」があります。
ここで言う「ゆとり」とは、分売価格(654円)で売った人が損失を出さないラインという意味です。
<3月4日(水)18:35追記>
13200株も「ゆとり」があるのに割れそうと思った理由の追記です。今回は119500株が分売によって個人投資家に撒かれます。
これは本当に銘柄や地合いに依りますが、大抵の場合、分売された株式の20~30%は寄付で「成売」されていると感じています。
寄付というのは、市場が始まってから一番最初に売買される瞬間(大抵は9:00)のことです。
そのため、少なく見積もっても119500株×20%=23900株が「成売」で出されるのではと推測しました。
(結果的に今回の寄付では25500株が成売されました。当たってる!笑)
前回の復習になりますが、この段階では、立会外分売によって売られる株はまだ含まれていません。
②8:25の板
8:25になりました。
8:18の板と全く変化がありません。
まだ分売の抽選が始まっていないため、売り注文も出てきていないです。
③8:48の板
さて、段々と勝負の時が近づいてきました!
ここで異変が起きています。
8:48の時の板なので、まだ分売に当選した人の売りは出てきていないと思われます。
しかし、成買の株数が減って11300株になっています(赤い丸)
そして成売の株数が増えて4700株になっています(青い丸)
その結果、先ほど話していた「ゆとり」は10900株分しかありません。
まだ分売によって撒かれた株が出てきていないのに、です。
8:48の時点で、これはほぼ間違いなく割れるなと思いました。
④8:51の板
一気に状況が変わりました!
まずは板をご覧ください。
分売の抽選が終わり、当選した人たちの売り注文が出てきました。
買いのパワーが弱いこともあり、一瞬で分売価格である654円付近まで落ちてきてしまいました。
もう「ゆとり」はありません。
そしてこれからどんどん売り注文が増えていくはずです。
⑤8:52の板
悲惨な状況になっています。
今回の分売はダメだと判断したのでしょう、成買が減って7700株になっています。
その結果、板の値が下にズレています。
更に怖いのが、指値の買い注文がスカスカな状態であることです。
売り注文が1000株単位で増えると、板の値が雪崩のように崩れていくことが予想されます。
⑥8:54の板
やはり売りが増えてきました・・・。
何円でもいいからすぐに売りたい!という成売注文が16700株あります。
8:52の板で予想していたように、1000株単位で売り注文が襲い掛かってきたので板の値が思いっきり下落しています。
新しい用語ですが、株価に応じて株価の上下の幅を制限する「値幅制限」というのがあります。
今回は前日の終値が674円なので、値幅制限は±100円です。
あまりに売りのパワーが強くなった結果、板の下限である574円が見えています(黄色の線)
⑦8:59の板
まもなく決着がつきます。
成売は最終的に21000株に達しました。
板の均衡がとれているのは601円付近です。
このままいけば今回分売に参加した人は
601円-654円=-53円
100株であれば、5300円の損失となります。
600円台の分売で5000円規模の損失は最悪レベルと言っていいと思います。
⑧9:03の板
板の値の均衡がとれない場合は3分おきに更新されますが、3分経ってもまだ均衡がとれていません。
売り注文の方に「特」と表示されていますが、これは特別売り気配という意味で「売りたい人の数が多すぎて取引ができない」ということになります。
●654円で買っても良いよというのは13000株
●654円で売っても良いよという株は30100株
というアンバランスさなので、まだまだ板の値が下がりそうです。
⑨9:09の板
9:09になってもまだ特別売り気配のままです。
悲しいことに、分売価格である654円は板から消えてしまいました。
その後、634円が始値となりました。
分売が当選した人が寄売をしたのであれば2000円の損失となりました。
今回も損失になってしまった案件でしたが、立会外分売は本来利益を出しやすい投資法です。
<2020年5月24日(日)追記>
第3弾の解説記事に取り掛かります。
第3弾は初の利益案件の記事です!
乞うご期待。
立会外分売についてもっと知りたい方は、こちらのページで詳しく紹介しているので参考にしてください。